「ゴールは偶然の産物ではない」フェラン・ソリアーノ(アチーブメント出版)

  • 2008年5月21日モスクワのルジニキ・スタジアム。マンチェスター・ユナイテッドチェルシーチャンピオンズリーグ勝戦がおこなわれた。決めれば勝利するPK(ペナルティーキック)をチェルシージョン・テリーが足を滑らせて外し、結果としてチェルシーは敗れる。優勝はチェルシーのすぐ手の届くところに、しかもチームを象徴する選手の足元にあった。しかしクラブに対して誰よりも思い入れの強いテリー自身のその足が、最悪のタイミングで彼を裏切った。こうしてチェルシーは、タイトルと約3000万ユーロを一瞬にして失ったのだった。ジョン・テリーがあのPKを外したのはただの不運だったと言い切れるだろうか?もしかしたら、あのミスの裏にも何らかの論理があったのではないだろうか?規模の大小にかかわらず、あなたがビジネスで成功を収めようと思うなら、まずは物事の裏にある論理を理解することは必要である。基本や原点に立ち返り、需要と供給あるいは競合相手との関係など、現行の論理をすべて再考してみるのだ。新しい視点から現状を捉えて分析し、新製品や新しいサービスを提供したり、新解釈に基づいた新しいビジネス形態を提案したりすることができれば、事業は素晴らしい改革と前進を遂げる。本書では、我々FCバルセロナや世界の強豪サッカークラブの経営者たちが用いている経営理論について述べる。併せて、それらの実践方法やその成果、そして他のチームがなし得なかった我々FCバルセロナの成功の理由についても具体的に説明する。この本を読んで読者の皆さんに「ゴールは偶然の産物ではない」と確信してもらえたら本望である。「全世界におけるクラブ以上の存在」とは?毎シーズン計上され続ける損失、増加の一途をたどり1億8600万ユーロにまで及んだ巨額負債…破綻寸前だったFCバルセロナをわずか4年で再生し、世界No.1クラブへと導いた究極の経営戦略。

経営戦略理論という少々私には難しいお話も、大好きなサッカーを通してだったので(知ってる選手や監督の名前が出てくるだけで興奮したりして)、とってもワクワクしながら読み終えることができました。
大切なのは、クラブとしてどこを目指すのかという明確な目標。
Jリーグで指揮を執る、ある外国人監督が開幕前の各チームのインタビューにおいて、全チームの監督が優勝を目標にしていると口にしたことに驚いたといいます。
フランスのクラブ「オセール」の元監督・名将「ギー・ルー」さんは、指揮を執った44年間でオセールを1部昇格に導びいたあと、1995/1996シーズンのリーグ優勝、フランスカップ優勝4回を成し遂げましたが、そのギー・ルーさんの毎年の目標は決まって「一部残留」だったそうです。
そのクラブには、そのクラブに見合った目標を立て、しっかり計画的に行動していくことが大切である。
現在のバルセロナの活躍が、偶然ではないことがよくわかりました。